自来也与小樱奇妙的拔萝卜之旅

「ふふふ……ほら、見つけたぞ！」

自來也が指差す先には、大きな人参がぐんぐんと顔を出していた。

「いいねえ、自來也先生。早く抜いてみようか？」

「んじゃ、俺が抜くぞ！」

自來也が両手をかけて、力いっぱい人参を引っ張り出そうとした。

すると、ぐんぐんと自來也が引っ張られて、ついには地面に倒れ込んでしまった。

「へっ？　なんで俺が……」

「自來也先生、大丈夫ですか？」

「大丈夫だ、大丈夫。桜ちゃん、お前も手伝ってくれ」

「はい！」

桜も自來也の指示に従って、人参の葉っぱを掴んで引っ張り始めた。

すると、今度は逆に桜が引っ張られて、自來也の上に倒れ込んでしまった。

「おっ、お前もか……」

「ごめんなさい……」

「ま、いいか。じゃあ、俺たち逆にやってみようか」

自來也と桜は、今度は向きを変えて、人参に向かって力いっぱい走り出した。

すると、人参はぐんぐんと動き出して、自來也たちを引っ張っていった。

「おおっ、行くぞ！」

「ほらほら、人参が来たぞ！」

自來也と桜は、人参に引っ張られて、どんどんと畑の奥へ進んでいった。

「あれ、どうやら終わりが見えないぞ？」

「自來也先生、一体どこまで続いているんですか……」

「続く限り、俺たちは抜くんだ！」

自來也と桜は、ずっと人参に引っ張られ続けて、やがて畑の外へ出てしまった。

「ふう、ようやく抜けたな」

「でも、自來也先生……どうしよう？」

「ん？　お前、何か言いたそうだぞ？」

「はい。実は、私……人参が好きなんです」

「へっ？　そうだったのか。じゃあ、お前が持って帰って食べればいいじゃないか」

「本当に？　ありがとうございます、自來也先生！」

桜は大喜びで、人参を抱えて家へ向かって歩き出した。

自來也も、桜の喜ぶ姿を見て、ほっとした表情を浮かべていた。

「ふふふ……また、一緒に人参取りに行こうかな」

「はい！」

自來也と桜は、手を繋いで、元の道を歩き始めた。

そして、今度は少し離れた畑へ向かって……